鴨カモ日記

鴨が生きていくうちに「カモ?」と思ったことを検証します。

CHUNITHMと身長に関連はあるか?


初カキコ...ども...

 

こんにちは。つぃ~べると申します。

私はCHUNITHMを始めとした音ゲーをかれこれ6年ほどやっておりますが、身長が180cmほどあり、プレイ中屈むような体勢になることで背中や腰を痛めることが多々あります。

勝手な推測ですが、背の低い小学生などにも遊んでもらえるよう、音ゲーは割とプレイ領域が低く設定してあると感じていて、背の高い人は私と同じようにプレイ中背中や腰を痛めやすく、集中力が切れやすかったりするのではないか、と常々考えておりました。

 

そこで、これは一度大々的な調査を行うべきだと思い、Google Formでアンケートを作成し、Twitterで参加者を募りました。

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Twitterでのアンケート参加者募集

 

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アンケートの内容

実に400人以上の方に参加していただき、多くのデータを集めることができました。参加していただいた方々、ありがとうございました。

 

アンケートの狙いは次の通りです。

・身長とCHUNITHMの実力に有意な相関が見られるか

・男女でCHUNITHMの実力に有意な差が見られるか(追加調査)

 

なお、4つ目の質問は「始めた時期と現在の実力に相関が見られるか」を調査しようと考えて設定しましたが、「しっかり向き合う」の定義が曖昧なうえ、それぞれにCHUNITHMを休止していた期間が存在する場合があり、あまり意味をなさない分析だと判断し、今回は調査から外すことといたしました。

 

I.身長とCHUNITHMの間の相関

 有効回答数:422

 

まず、身長とCHUNITHMの間に相関があるかを調べました。

仮説は「身長が高くなるほどCHUNITHMに不利である」です。

今回得られた身長の分布、そして身長とレートの散布図は下の通りです。

 

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身長の分布

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身長とレートの散布図


まず、身長とレートの間の相関係数を求めました。相関係数は二つのデータの間の関係性を表す指標です。1に近ければ近いほど正の相関が強く、-1に近ければ近いほど負の相関が強く、0に近ければ近いほど相関がないということを表します。「身長が高いほどCHUNITHMに不利である」という仮説が正しければ、身長が高くなればなるほどレートは低くなり、相関係数は負の値となるはずです。

 

結果は0.231となり、僅かながら「正の相関」を示すこととなりました。つまり、身長が高ければ高いほどCHUNITHMに有利であるという結果が出たのです。

 

これでは流石に終われないので、大きく「高身長」と「低身長」のグループに分け、有意水準95%で独立性のカイ二乗検定を行いました。

 

今回、「高身長」と「低身長」の境界として、422の回答の身長の平均を使うこととしました。つまり、この平均より高ければ「高身長」、低ければ「低身長」ということです。今回の調査で得られた身長の平均は168.9cm(s=7.894)となりましたので、これを境界として使用します。

 

独立性のカイ二乗検定は難しい概念ですが、とりあえずχ^2の値が3.84より小さければ二つのデータは独立、つまり関連性はなく、大きければ従属、つまり関連性があるということになるということだけを理解してください。

 

 虹レ(15.00)を境界として検定を行った(検定①)ところ、χ^2=14.92となり、やはり「身長とレートは関連がある」という結論が出ました。つまり、全体としては身長が高いほうがレートが高くなる傾向があるということになります。

 

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カイ二乗検定①。左の表は観測度数、中央の表は期待度数を表す。以下同様。

 

ここで、対象を虹レ以上に絞って、15.50以上と未満で同様の検定を行いました(検定②)。するとχ^2=0.032となり、虹レ以上になると身長とレートにほぼ全く関係がないということになります。少し意外な結果となりました。

 

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カイ二乗検定

 

これらの結果を踏まえると、特に虹レ以下では身長が高いほうが有利ということが予想されます。本当でしょうか。

 

・虹レ以上では身長とレートは無関係

・虹レ以下では身長が高いほうが有利? 

 

II.性別とCHUNITHMの実力の相関

次に、CHUNITHMの実力に性差が見られるかを調べました。

男:354 女:50 回答しない:18

仮説は「男性の方が女性よりもレートが高い傾向にある」です。一般的に男性の方が筋肉量もあって、体力が持ちそうで有利なように感じますよね。

I.で行ったのと同様に、「虹レと虹レ未満」と「虹レに限ったうえで15.50以上と15.50未満」のそれぞれで男女の独立性のカイ二乗検定を行いました(それぞれ検定③、検定④)。

 

すると、全体としては男女に差があるように見られるが、虹レ以上ではあまり関係がないという、身長と同じような結果となりました。

 

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カイ二乗検定③。χ^2=23.30と非常に高い。

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カイ二乗検定④。χ^2=0.143と非常に小さい。

 

・虹レでは男女でCHUNITHMの実力に差はない

・虹レ以下では男の方が有利?

 

 

しかし、度数をよく見てみると、男性では虹レが虹レ未満の3倍以上を占めているのに対し、女性の虹レの数が虹レ未満の数を下回っていることが分かります(カイ二乗検定③の左の表参照)。単純に女性の方が虹レになりづらいのか、何らかの原因で女性の虹レが少なくなったかは分かりませんが、これはデータに大きな影響を及ぼしそうです。

 

ここで身長の平均を男女分けて計算し直してみたところ、男性は170.6cm(s=6.520)となったのに対し、女性は157.7cm(s=8.013)となりました。

 

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男女別と全体の身長の平均をまとめた表

 

このことから、I.での検定①、検定②について、身長の低い女性に虹レが少ない傾向にあることで、全体としては身長が高いほうが有利であるように見えたという説が浮上しました。

 

 そこで、男性に限定した上で改めて身長と実力に関係があるかを調べてみました。

 

III.身長とCHUNITHMの間の相関(男性のみ)

I.で行ったのと同様に、「虹レと虹レ未満」と「虹レに限ったうえで15.50以上と15.50未満」のそれぞれで「高身長」と「低身長」の独立性のカイ二乗検定を行ったところ(それぞれ検定⑤、検定⑥)、下のような結果が得られました。(今回の境界は、先ほど求めた男性の平均身長を使用しました。)

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カイ二乗検定⑤。χ^2=1.574。

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カイ二乗検定⑥。χ^2=0.102。

これら二つから結論付けられたのは、(男性に限っては)CHUNITHMのレートと身長の間に関連性は低いということです。引っ張りに引っ張って、結局仮説を否定する結果となってしまいました。

ちなみに、男性だけでレートと身長の間の相関係数を求めたところ、0.082となり、やはりレートと身長の間に相関は見られないという結果となりました。

 

IV.まとめ

今回の調査で、CHUNITHMのレートと身長の間には関連性がないということが分かりました。

しかし調査の過程で、女性では虹レの割合が男性と比べてかなり低い傾向にあることなど、興味深い事実がいくつも浮き彫りになりました。調査方法を工夫しつつ、そのあたりの検証もまた改めてしてみたいところです。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

4/7 23:34修正:「身長とレートの散布図」にデータの漏れがありましたので差し替えました。